その1 大切な方を病院で亡くされた時、病院にいる葬儀社には搬送だけをお願いして下さい。 
もしも、あなたが大切な方のご臨終に立ち会ったとき、ほとんどの場合は病院になります。病院は亡くなるとすぐに、搬送の手配をして下さいと言ってきます。大きな病院だと、葬儀社の事務所が病院内にあり、何も言わないうちに、葬儀社のスタッフがご遺体の搬送の段取りをすすめます。
事前に葬儀社が決まっている場合は、その場ではっきりと断りましょう。
葬儀社が決まっていない場合(こちらが普通かもしれませんが)、こうお伝えしてください。
「遺体の搬送だけお願いします。後のことは身内とも相談しないと決められませんので・・・」
まずは病院から移動し、ご自宅へご安置となります。
それから、落ち着いて葬儀の事を考えたいところです。
しかし、ここで問題がおきます。
搬送を手伝って頂いた葬儀社が、有難うございます、さようならとは絶対になりません。
なぜなら、葬儀社が病院に入り込むには、それなりの条件があって、もし搬送だけで葬儀の契約が出来ず、それが何度も続いたとしたら、葬儀社が困った事になってしまいます。
それを避けるために搬送担当者は、あらゆる手段で契約をしようとします。
「直ぐに○○と○○が必要です。とりあえず仮契約という形でも結構ですから…」
そこで、ハイと言ったら、お終いです。
冷静な判断が出来ないまま、葬儀社のペースで話がすすんでいきます。
とにかく、「後のことは身内とも相談しないと決められませんので…」の一点張りにし、絶対に余計なことを言わないことです。
ちょっとでも余計なことを言ったら、そこからどんどん入り込んできて、結局は断れなくなります。
特に夜中などは、悲しみに疲労も加わり、更に相談する身内も集まっていない状況では、解っていてもなかなか避けることは難しいようです。
ここからが本論となります。
葬儀を行う際に、一番重要なのは病院からの搬送の時になります。
確かに葬儀のご依頼を受けるとき、ある程度、冷静に判断が出来る方もいらっしゃいます。過去に経験があったり、解る方が周りで助言をしてくれたりと様々ですが、その様な状況ばかりとは限りません。
どの様な状況でも、ある程度、冷静な判断が出来る方法があるとするならば、その方法は一つです。
それは、事前に病院からの搬送を依頼する葬儀社を決めておくことです。
事前に葬儀の事を考えたくないという気持ちも解ります。
しかし、大切な方との最後の別れをしっかりと考えるのであれば、とても必要な事だと感じます。
その2 良い葬儀社、悪い葬儀社はありません。高い葬儀社、安い葬儀社はあります。
<その1>の内容より、万が一の際に、搬送を依頼する葬儀社は事前に決めておくことの重要性を説明させて頂きました。
では、いざという時に搬送を依頼する葬儀社はどの様に決めれば良いかというお話です。
葬儀を行ううえで、皆さんが一番気になる事は、費用だと思います。規模や内容により、かかる費用もそれぞれですが、ご希望に沿った内容での葬儀費用は、ある程度知りたいところです。
事前相談がありますので、2社以上資料請求をするか、お近くの葬儀社があるようでしたら、実際に足を運んでみてください。かかる費用の総額の差に驚くことになるかもしれません。
その際に、ポイントがあります。
まず、葬儀社以外の方が見て、理解できない見積りを出されたら、選択肢から外して下さい。
もともと、葬儀社の作成する見積りは、専門用語なども入っている事から解りづらい内容になっています。例えば、葬儀一式と記載され、何が含まれていて何が含まれていないかが解らなかったり、会葬の人数の変動や火葬場の空き状況により、変動する費用(追加費用)の説明がなかったり、または説明を受けても理解できない場合は、信頼たる葬儀社とはなりません。
また、項目が細分化され、結局いくらかかるかが解らないという見積りもあります。
解りやすく細かくしているのでしょうが、結果として理解ができなければこれも良い見積りとはいえません。
見積りでもっとも大事なのは、総額の費用が解るかどうかです。
また、何も解らない一般の方が、しっかりと理解できるように、工夫した見積りになっているかどうかは、相手の立場にたって考えてくれる葬儀社かどうかの一つの判断基準にもなります。
以上から事前相談のポイントは、
・見積りをだしてもらい、総額を知ること
・見積りの内容が解りやすいように工夫されていること
になります。
いざという時に、依頼する葬儀社を選ぶうえで事前相談はかかせない事かもしれません。
その3 スタッフの教育が行き届いている葬儀社の見分け方
<その1>で事前に病院からの搬送を依頼する葬儀社を決めておくことの重要性について書きました。
<その2>では、搬送を依頼する葬儀社はどの様に決めれば良いかを費用と事前見積りの観点から説明いたしました。
今回も葬儀社選びの続きになります。
葬儀社を決める前に、事前相談は欠かせません。可能であれば葬祭場を下見しても宜しいかと思います。
ここでのポイントは、2社以上の葬儀社に相談することです。
葬儀社にもそれぞれ特色があり、比較検討することで、費用面だけでなく、自分たちに合う葬儀社かどうかも分かってきます。
では、本論です。
スタッフの教育が行き届いているかどうかを見極めるポイントですが、よく担当者が良かった・悪かったを耳にすることがあります。
しかし、担当者の感じが良いのは当たり前ですので、悪い印象を受けたのであれば、論外と考え候補から外してください。
つまり、ポイントは担当者ではなく、それ以外のスタッフの感じが良いかどうかになってきます。例えば、電話をかけたときの応対や実際に訪問した時のお茶の出し方、または挨拶など、全体を通じて好印象であれば訓練度が高く、細かいところまで気付ける良い葬儀社といえます。
そしてそれが、そのまま葬儀の満足度に直結致しますので、ご参考頂ければと思います。